年々、不動産業界の取引に関するトラブルへの対応なのか、法律もより難しく複雑になっています。重要事項説明や契約書の説明をするのに1時間はざらにかかりますし、物件の調査も結構な時間がかかります。それでも、トラブルになるときはなるもので…。最近、起きたトラブルですが、売主と買主の仲介に入り契約書を取り交わしました。手付金なしで契約後2ヶ月以内に決済をする予定でしたが、決済を待たずに買主が代金を売主に支払いました。買主への名義変更前に売主に代金を支払ったのです。諸事情あったようですが、絶対にやってはいけないことです。しかしここまでなら、まだ、名義変更の手続きをすればいいだけですが、なんと売主は代金が入ったあとに自分の親戚へ名義を変更したのです。この場合どうなるかというと、不動産の権利は名義を変更したもの勝ちです。名義人には例え契約書を取り交わしたとしても権利を主張できません。買主が出来ることは売主に対しての損害賠償請求です。これも売主に損害を賠償できる資金があればの話です。資金がなければ裁判で争っても時間とお金がかかるだけです。今回は新名義人が損害金をお支払いしましたので事なきを得ましたが、非常にリスキーな事案でした。一瞬、詐欺にあったのかと思いましたが、どうやら売主が親戚に無断で本家を売ろうとしたのが原因のようでした。結局、物件を買えなかった買主が1番の労力と無駄な時間をかけてしまったので、何ともやりきれない気持ちにさせてしまいました。当社もプロとしてこういった事が起こらないよう目端をきかせて事前にストップをかけれるようコミュニケーションを密にとっていく必要があると感じました。